赤ちゃんがかかる病気はいろいろありますが、
中には、命を落とす可能性がある危険な病気があります。
「乳幼児突然死症候群」という言葉を、聞いたことがある方も多いと思います。
乳幼児突然死症候群は、それまで何の問題もなく元気だった赤ちゃんが、
突然亡くなってしまうという病気です。
避けるために、原因や予防方法などはあるのでしょうか?
そこで今回は、「乳幼児突然死症候群」について、
乳幼児突然死症候群とはどんな病気かや、
リスクを減らすためにできる、4つのポイントをまとめてみました。
乳幼児突然死症候群(SIDS)とは?
乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)とは、
これまでに目立った病気などなく、健康に過ごしていた赤ちゃんが、
何の前触れもなく、眠っている間に突然死してしまう病気です。
生後2~6ヶ月の赤ちゃんに多く見られ、日本では約6,000~7,000人に1人の割合で起きています。
年間では、100名を超える赤ちゃんに発症しています。
赤ちゃんが突然亡くなることは、生まれつきの病気や感染症、
他に窒息事故などによって起こることがありますが、
乳幼児突然死症候群はそれとは異なり、突然死に至る、原因不明の病気です。
- 第1位:先天性奇形、変形および染色体異常(35.1%)
- 第2位:周産期に特異的な呼吸障害等(14.1%)
- 第3位:乳幼児突然死症候群(5.7%)
- 第4位:不慮の事故(4.9%)
- 第5位:胎児及び新生児の出血性障害等(3.9%)
厚生労働省による平成21年の調査では、
乳幼児突然死症候群は、0歳児の死亡原因の第3位に、
平成30年の調査では、第4位に入っています。
しかし、1歳以上でも発症することはあるものの、
1歳児の死亡原因の5位以内には入っていないため、0歳児に多い病気だということがわかります。
乳幼児突然死症候群の原因や前兆
乳幼児突然死症候群は、眠っている間に起こる突然死のため、
例えば、何かの事故や、異物が喉に詰まったことで起こる窒息死と思われがちですが、
実はそうではありません。
乳幼児突然死症候群は、未だに原因ははっきりしておらず、
何の前兆もないことが特徴です。
そのため、残念ながら乳幼児突然死症候群の確実な予防方法は、確立されていません。
- 早産児
- 人工栄養児
- 低出生体重児
- うつぶせ寝
- 両親の喫煙
近年の研究結果では、上記のことが関係していると言われています。
そのため、関係している可能性があることに気をつけることで、
乳幼児突然死症候群の発症リスクを、減らすことができるのではないかと期待されています。
乳幼児突然死症候群を避けるためのポイント4つ!
乳幼児突然死症候群は原因がわかっていないため、はっきりとした予防法はありませんが、
突然死について知り、関係がある可能性の事象を避けることはできます。
次のことを積極的に行うことで、発症するリスクを減らす効果があるとわかってきています。
ひとつひとつのことに注意して、大切な命を守りましょう!
- うつぶせ寝をやめる
- 受動喫煙をさせない
- 母乳育児で育てる
- 添い寝に注意する
1.うつぶせ寝をやめる
乳幼児突然死症候群の発症は、
赤ちゃんがうつぶせに寝ているときに、増加する傾向があります。
そのため、お医者さんから持病などでうつぶせ寝を勧められているような、
特殊な場合を除いて、できるだけ仰向けで寝かせてあげるようにしましょう。
また、赤ちゃんを一人で寝かせているときは、どんな様子で寝ているのか、
こまめにチェックするように心がけてくださいね。
特に寝返りができるようになった赤ちゃんは、
寝ているときに寝返りと共に、うつぶせ寝をするので注意が必要です。
2.受動喫煙をさせない
乳幼児突然死症候群の発症率は、両親がタバコを吸っているときと、
吸っていない時を比べたときに、約4.7倍に増加するとされています。
原因は、両親が吸っているタバコの煙を赤ちゃんが吸ってしまう、
受動喫煙による影響だと考えられています。
もう一緒に住んでいる家族や友人がタバコを吸う場合には、
赤ちゃんの近くや同じ部屋などの、赤ちゃんがいる場所での喫煙はしないように、
協力してもらうようにしましょう。
また、外出時に喫煙ルームに近づかないように気をつけ、
飲食店でも、禁煙席につくようにすると◎
3.母乳育児で育てる
母乳育児の赤ちゃんの方が、ミルク育児などの人工乳の赤ちゃんよりも、
乳幼児突然死症候群の発症率が、低い傾向があります。
母乳による免疫力の向上や、舌やあごなどの口の発達、
お腹が空きやすく、授乳が頻回になりやすいためなどが、
理由などではないかと考えられています。
とはいえ、ミルク育児が乳幼児突然死症候群に繋がるわけではないので、
必要以上に神経質にならないようにしましょう。
もしできるのであれば、母乳も飲ませてあげるようにしてみましょう。
4.添い寝に注意する
ママやパパのそばで赤ちゃんが一緒に寝ることは、安心することですし、
スキンシップの方法のひとつです。
ママも添い乳で赤ちゃんを寝かしつけて、一緒に眠ってしまった、
なんて経験もあるかもしれませんね。
しかし、赤ちゃんのそばで大人が寝ることで、
大人が寝返りをうった時に、赤ちゃんに覆いかぶさったり、
腕や足で赤ちゃんを圧迫してしまう危険があります。
私も添い乳しながら寝かしつけて、気づけば赤ちゃんの方に傾いていたことがあります。
理想は同じ部屋で寝ながら、赤ちゃんはベビーベッドで寝る、という形ですが、
添い寝を全くしないということも難しいことです。
寝かしつけや添い乳をするときは、細心の注意を払うようにしましょう。
寝ているときの無意識の動作が、乳幼児突然死症候群を引き起こす可能性があるため、
特に2~6ヶ月の間は要注意です。
予防するために生活を見直そう
ご紹介したように、乳幼児突然死症候群に完全な予防方法はありませんが、
日常生活で気をつけることで、発症するリスクを減らすことは可能です。
日頃の赤ちゃんとの生活を見直して、
発症リスクを高める要因はないか、確認してみましょう。
また、赤ちゃんが一人でいるときは、近くに物を置かないようにしたり、
身近な人に喫煙者がいれば、辞めてもらうなどして、
赤ちゃんの健康を一番に考えた生活を、心がけるようにしましょう。
できるだけパパとママで協力しながら、
優しく赤ちゃんのことを見守ってあげてくださいね。
コメント