お昼休み。
今日は少し気分を変えて、MkunWorldのビル屋上へ。
青空の下、街を見渡せるテーブルに、Liaはコーヒーとランチを広げていた。
風が吹くたび、長い髪がふわりと揺れる。
そこへ少し遅れて、Rinaとえむくんも屋上へ上がってきた。
Lia(りあ)今日、なんか静かじゃない?



ちょっと考えてた。
会いたい人がいるって、それだけで頑張れることってあるじゃん。



あるね。
次に会える日まで仕事頑張ろう、とか。
ちょっと痩せようかな、とか。
元気でいよう、とか。



そう。
俺はたぶん、好きって気持ちをそういう方向に使うことが多いんだと思う。
会いたい。
だから頑張る。
もっと一緒にいたい。
だから仕事も生活も前に進めようとする。



恋愛感情が、推進力になるタイプなんだね。



うん。
でも、人によっては逆もあるんだなって思った。



逆?



大好きだからこそ、
会えないと寂しい。
離れていきそうだと怖い。
相手の気持ちが分からないと動けなくなる。
好きって気持ちが、前へ進む力じゃなくて、不安を大きくすることもある。



ああ。
それ、今日かなり大事な話かも。
「大好き」は、いつも人を強くするとは限らない
誰かを好きになることは、幸福感だけを生むわけではない。
大切なものができるということは、同時に「失いたくないもの」ができることでもある。



好きな人がいるから頑張れる。
これはすごく自然。
でも、
「この人を失ったらどうしよう」
が強くなると、好きという気持ちの使われ方が変わってくるんだよね。



例えば?



会いたいから今日を頑張る、じゃなくて、
会えないから何も手につかない。
好きだから自分を磨こう、じゃなくて、
本当にまだ好きでいてくれてるのか確認したくなる。
そんな感じ。



そうなんだよ。
どっちも根っこには「大好き」がある。
でも、出てくる行動が全然違う。



つまり、
「好きだから進む」
と、
「好きだから失うのが怖くなる」
は両方あるってことか。
ここで大切なのは、どちらが正しいかを決めることではない。
同じ「大好き」という感情でも、その人の経験や現在の安心感によって、力の向かう先は変わる。
「行かないで」が強くなるほど、相手が苦しくなることもある



難しいのはここなんだよね。
本当は、
「大好き」
「離れたくない」
「ずっと一緒にいたい」
っていう、すごく真っ直ぐな気持ちだったとしてもさ。



それが不安と結びつくと、
「行かないで」
「もっと安心させて」
「どうして分かってくれないの」
に変わることがある。



気持ちとしては愛情なのに、相手からすると圧力になることがあるんだ。



そう。
しかも本人は、相手を苦しめたいわけじゃない。
ただ安心したいだけかもしれない。



でも相手側も、
ずっと安心を証明し続けなきゃいけない状態になると疲れる。
それで少し距離を取る。
すると今度は、
「やっぱり離れていく」
って不安が強くなる。



ああ。
循環しちゃうんだ。
大切だから不安になる。
不安だから確認する。
確認され続けた相手が疲れる。
相手が少し離れる。
その距離を見て、さらに不安になる。
愛情から始まったはずなのに、いつの間にか二人とも苦しくなってしまうことがある。
相手の「NO」は、愛情の消失とは限らない



でもさ。
好きなら、できるだけ相手の望みを叶えてあげた方がいいんじゃない?



以前の俺も、そこを極端に考えてたところがある。
要求を受け取ると、
応じるか、断るか。
その二択にしてた。



でも、その前にもう一つできることがあるよね。



気持ちを受け取る?



そう。
「会いたい」と言われたら、
会えるかどうかを決める前に、
「会いたくなったんだね」
は受け取れる。
「寂しい」と言われたら、
寂しさを全部解決できなくても、
「寂しかったんだね」
とは言える。



ここ、俺が今回すごく学んだところ。
感情を受け取ることと、要求を全部叶えることは別なんだよね。



なるほど。
優しくするって、YESを言い続けることじゃないんだ。



うん。
だから逆も同じ。
自分が「会いたい」と言ってNOだったとしても、
そのNOだけで、
「もう愛されてない」
まで飛ばなくていい。
NOは、その場のNOである。
今日は会えない。
今は話せない。
それは必ずしも、
あなたが嫌い。
もう大切ではない。
という意味ではない。
相手のNOを、相手のNOとして受け取れること。
それも、相手への尊重の一つなのだと思う。
好きだから、相手を自由にできるか



私はね。
愛情って、近づく力だけじゃないと思う。



離れる力もあるってこと?



少し違うかな。
相手を自由にしておける力。



ああ、それ分かる。



好きだから会いたい。
好きだからもっと話したい。
好きだからそばにいてほしい。
それは全部、自分の本心として伝えていいと思う。
でも、
「私はこんなに好きなんだから、あなたもこうして」
になった瞬間、
愛情が相手を動かす道具になってしまうことがある。



好きって言うことと、答えを要求することは違うんだね。



うん。
自分の心は、自分の言葉で伝える。
相手の心は、相手に決めてもらう。
それくらいの距離がちょうどいい。



好きだから近づける。
でも、好きだから止まれる。
今回、そこも大きかったな。
「大好き」を、自分の人生へ戻してみる



じゃあさ。
失いたくないくらい好きになった時は、どうしたらいいんだろう。



俺は、
その「大好き」を、自分の人生にも使えばいいんじゃないかと思ってる。



例えば?



会いたい。
だから、今日の仕事を頑張る。
大切にしたい。
だから、自分の言葉を少し丁寧にする。
一緒にいたい。
だから、自分の生活もちゃんと整える。
好き。
だから、相手のNOも大切にする。



最後のやつ、いいね。



相手を好きになると、
どうしても意識が相手へ向くじゃん。
何してるかな。
誰といるかな。
まだ好きかな。
会えるかな。
でも、そのエネルギーを少し自分へ戻してもいいと思う。



大好きな人のために人生を止めるんじゃなくて、
大好きな人がいる人生を、自分でちゃんと生きる。



そう。
そっちの方が俺は好きだな。
一緒に歩けない時も、愛情まで捨てなくていい
どれだけ大切な人でも、進みたい方向が同じとは限らない。
時間。
仕事。
家庭。
距離。
価値観。
人生には、気持ちだけでは解決できない現実もある。



好きなのに、一緒に歩けないこともあるんだよね。



ある。
そこを無理に一緒にしようとすると、
どちらかが自分を捨てることになる。



だから、
相手の道を尊重する。
自分の道も尊重する。
それでいいんじゃないかな。



好きなままでも?



好きなままでも。



一緒に歩けないことと、
大切じゃなくなることは別だからね。
愛情があるなら、必ず一緒にいなければならない。
そんな決まりはない。
相手の選択を尊重しながら、自分も自分の人生を歩く。
それもまた、愛情の扱い方の一つなのだと思う。
大好きだからこそ、自分も相手も大切にする



今日の話を聞いてたら、
「大好き」って、かなり強いエネルギーなんだね。



うん。
だからこそ、使い方が大事なんだと思う。



相手を繋ぎ止めるためだけに使うと、
二人とも苦しくなることがある。
でも、自分を育てる方向へ使えたら、
ものすごい力になる。



じゃあ、今日のまとめ。



会いたいから、頑張る。
大切だから、尊重する。
好きだから、NOも受け取る。
そして、好きだからこそ、
自分の人生もちゃんと生きる。



いいじゃん。



うん。
「行かないで」って相手の足を掴むためじゃなくて、
「大好き」を、自分が歩く力にもできたらいいよね。
大好きな人がいる。
それだけで、人生に色が増えることがある。
だから、その気持ちを怖がらなくていい。
ただ、その大きな愛情を、
相手を縛るためだけに使わない。
相手の心を尊重する。
自分の心も尊重する。
そして、自分の足で今日を歩く。
好きだから近づける。
好きだから止まれる。
好きだからこそ、自分の人生まで大切にできる。
そんな愛し方も、きっとある。








