好きなまま別れたあと、また距離が近づいたら|扉を閉めて、鍵をかけずに前へ進む

好きなのに、
別れることがある。

嫌いになったからではない。

むしろ、
大切だったからこそ、

このままでは、
好きという気持ちまで壊してしまう。

そう思って、
自分から関係を終わらせることがある。

そして不思議なことに。

ようやく離れて、
少しずつ前を向き始めた頃。

もう遠くなったと思っていた相手が、
また少しだけ近くに感じられることがある。

そんな時。

追いかけるべきなのか。

待つべきなのか。

それとも、
何もなかったように前だけを見るべきなのか。

今日は、
そんな「大恋愛のあと」に残る気持ちについて。

MkunWorld編集部のみんなと、
考えてみたい。


目次

好きなまま、扉を閉めた

Mkun(えむくん)

俺ね。

大切な人を、
好きなまま自分から遠ざけたことがある。

本当は、
ずっと一緒にいたかった。

でも俺が欲しかったのは、

追う人と追われる人になることでも、

「好き?」って確認し続けないと
安心できない関係でもなかった。

お互いが信じて、

少しずつ愛を育てていける関係が
欲しかったんだと思う。

Rina(りな)

……それ、
別れたい人の言葉じゃないよね。

むしろ、
ちゃんと愛したかった人の言葉。

Mkun(えむくん)

そうなんだよ。

安心してほしい。

喜ばせたい。

求められたら、
できる限り応えたい。

俺もそう思ってた。

でも、

「好き」が相手を安心させるための義務になって、

「愛してる」が、
本心より先に要求される言葉になってしまったら。

俺にはもう、
心から言えなくなってしまう。

嘘になるから。

Rina(りな)

好きなのに、
「好き」って言えなくなる。

恋愛では、
そういうすれ違いもあるんだよね。

言葉が足りないからじゃなくて、

言葉の役割が変わっちゃうことがある。

愛情表現だったはずの言葉が、

安心確認のための答え合わせになる。

そうなると、
言う側にも苦しさが出てくる。


「好き」と「一緒にいられる」は同じではない

Aile(エイル)

ここは、
分けて見た方がよさそうです。

「好きであること」と、

「その関係を持続できること」は、
同じではありません。

強い恋心が存在していても、

安心。

対話。

境界線。

信頼。

修復。

そして、
二人が無理なく続けられること。

それらが噛み合わなければ、
関係は苦しくなります。

Mkun(えむくん)

昔の俺は、

好きなら、
二人で頑張ればどうにかなる。

くらいに思ってた。

Aile(エイル)

だから、
二人分を歩いてしまったのかもしれませんね。

相手を安心させる。

相手を支える。

相手が苦しまないようにする。

相手が自分を信じられるようにする。

それ自体は、
やさしさです。

でも、

相手自身が歩くはずだった一歩まで
代わりに歩き始めると、

やがて自分が消耗します。

そして今度は、

「これだけやったのだから、
いつか分かってほしい」

という気持ちまで生まれやすくなる。

それは、
どちらか一人が悪いからではありません。

愛そうとして、
二人の歩幅を一人で埋めようとした時に起きる、
関係の構造です。


大恋愛のあとには、穴が残る

Lia(りあ)

でもさ。

頭でそこまで整理できても、
寂しいものは寂しいよね。

Mkun(えむくん)

うん。

めちゃくちゃ寂しい。

理屈では、

「あの時はあれでよかった」

と思える。

でも心には、

大きな穴が空いてる。

もっと違う未来もあったんじゃないか。

あの時、
もう少し違う言葉を言えていたら。

もう少し上手に愛せていたら。

って。

Lia(りあ)

それ、
無理に消さなくていいんじゃない?

大切だった人なら、

ご飯食べてる時でも、
仕事してる時でも、

ふっと思い出すことあると思う。

声とか。

表情とか。

隣にいた時の安心とか。

そういうのまで全部、

「前へ進むためには忘れなきゃ」

にしなくていいよ。

大切だったことは、
大切だったままでいい。

Aile(エイル)

後悔が残っていることは、

判断が間違っていた証明ではありません。

選ばなかった未来を想像できるから、
人は後悔します。

「あの道もあったのではないか」

という可能性と、

「あの道なら幸せになれた」

という結論は、
別のものです。


別れたあと、相手が少し近づいてきたら

Rina(りな)

で。

ここからが、
恋愛では一番危ないところ。

離れた相手が、
また少し近づいてきた時。

嬉しいんだよ。

そりゃ嬉しい。

「もしかして」

って思う。

Mkun(えむくん)

思うね。

ものすごく思う。

Rina(りな)

でも、

一回笑ってくれた。

話しかけてくれた。

頼ってくれた。

前より明るく接してくれた。

それだけで、

「まだ大好きなんだ」

「戻りたいんだ」

まで、
続きを勝手に書かないこと。

近づいた一歩は、

一歩として喜べばいい。

その一歩が何を意味しているのかは、
相手のものだから。

Aile(エイル)

人は、
希望がある時ほど物語を補完します。

だから大切なのは、

希望を捨てることではなく、

事実以上の未来を確定しないことです。

「少し近づいた」

なら、

「少し近づいた」

まで。

その小さな変化を、
小さいまま受け取る。

それは冷たさではありません。

相手の心を、
相手のものとして扱うことです。


扉は閉める。でも、鍵はかけない

Mkun(えむくん)

俺の中では、
こういう景色になったんだ。

俺は、
一度扉を閉めた。

中途半端に開けておくと、

懐かしい温もりとか、
幸せだった記憶とか、

いろんなものが入ってきて。

また扉の前から
動けなくなってしまうから。

だから、
ちゃんと閉める。

でも。

鍵はかけない。

Rina(りな)

うん。

「二度と来るな」
じゃないんだよね。

Mkun(えむくん)

そう。

ただ俺は、
もうその扉の前では待たない。

俺の人生を歩く。

もし、
いつかその人自身が扉を開けて。

自分の足で、
俺が歩いた道を追ってきてくれたなら。

その時、
俺も立ち止まって振り返ればいい。

そこでもまだ、
お互いが大切だったなら。

今度は、
追うとか追わせるとかじゃなくて、

二人で歩けるかもしれない。


本日、Kai出社しました

編集室の扉が、
静かに開いた。

背の高い青年が、
少しだけ照れたように手を上げる。

黒とグリーンのウェア。

胸元には、
小さな芽のエンブレム。

Kai(カイ)

俺、カイ。

今日からここで、
みんなと一緒に働きます。

よろしく。

Rina(りな)

遅い。

ずっと話聞いてたでしょ。

Kai(カイ)

聞いてた。

だから、
最初に言いたいこと決まった。

Mkun(えむくん)

なに?

Kai(カイ)

歩こう。

Mkun(えむくん)

……え?

Kai(カイ)

扉を閉めたなら、
そこに立ってなくていい。

相手が来るかどうか確認するために
振り返り続けなくてもいい。

今日やることをやる。

仕事する。

ちゃんと寝る。

誰かと笑う。

身体を動かす。

好きなものを作る。

昨日より少しだけ、
自分の人生を進める。

一歩ずつ行こう。

Lia(りあ)

あ。

この人、
私とちょっと担当かぶってない?

Kai(カイ)

大丈夫。

Liaは暮らしを整える人。

俺は、

「分かったけど動けない」

って時に、
最初の一歩を一緒に探す。

Lia(りあ)

なるほど。

じゃあ仲良くできそう。

Rina(りな)

えむくんには、
ちょうど必要かもね。

考えすぎるし。

Mkun(えむくん)

おい。

Rina(りな)

事実でしょ。

Aile(エイル)

私も賛成です。

理解したあとに必要なのは、
必ずしも「答え」ではありません。

生活へ戻るための、
小さな行動ですから。


前へ進むのは、振り向かせるためじゃない

Kai(カイ)

ひとつだけ。

ここ、
大事だと思う。

自分を磨く。

仕事を頑張る。

楽しく生きる。

前向きになる。

それを、

「あの人を振り向かせるため」

だけにしないこと。

Mkun(えむくん)

うん。

そこは俺も、
今すごく大事にしてる。

Kai(カイ)

結果的に、

「あれ。
なんか前よりいい男になったな」

って思ってもらえたら、
そりゃ嬉しいよ。

別に、
その気持ちまで否定しなくていい。

Rina(りな)

むしろ、
ちょっと思ってていいと思う。

「また惚れたらいいのに」

くらいはね。

Kai(カイ)

うん。

でも、

来なかったら全部無駄だった。

にはしない。

今日頑張った分は、
今日の自分にちゃんと残る。

相手が戻るかどうかとは、
別にね。

Mkun(えむくん)

それなら、

恋心も未練も、
前へ進むエネルギーにしていいのかな。

Kai(カイ)

いいと思う。

ただし、

ハンドルは自分で握る。

燃料が何かは、
そんなに問題じゃない。


相手の一歩は、相手に返す

Aile(エイル)

ここまでを、
ひとつの構造にすると、

こうなります。

好きだから、
一歩差し出すことはできる。

でも、

相手が歩く一歩まで
こちらが完成させない。

離れたあとも同じです。

こちらが未来を作って、
相手をそこへ連れてくるのではありません。

相手自身が、

「もう一度近づきたい」

と選ぶ余白を残す。

その自由を守る。

同時に、

自分にも前へ進む自由を返す。

これが、

「鍵をかけない」

という比喩の中にある
境界線なのだと思います。

Rina(りな)

だからこれ、

恋の駆け引きじゃないんだよね。

「追ってくるか試してやろう」

じゃない。

「私はここから歩くね」

なんだよ。

Mkun(えむくん)

そう。

来てほしい気持ちはある。

すごくある。

でも、

来させるために歩くんじゃない。

俺が歩きたいから歩く。


もし、本当に追いついてきたら

Lia(りあ)

じゃあさ。

本当にいつか、
後ろから足音が聞こえたら?

Mkun(えむくん)

たぶん、
立ち止まる。

ちゃんと振り返る。

Rina(りな)

すぐ走って抱きつかないの?

Mkun(えむくん)

……そこは、
状況による。

Rina(りな)

ふふ。

Kai(カイ)

大事なのは、

「戻ってきたから元通り」

にしないことじゃないかな。

Mkun(えむくん)

うん。

その時は、

昔の二人に戻るんじゃなくて、

今の二人として
もう一度選びたい。

信頼できるのか。

話し合えるのか。

NOを言っても壊れないのか。

一人だけが頑張る関係にならないのか。

そして、

それでもお互いが
一緒にいたいと思えるのか。

そこから始めたい。

Rina(りな)

その場所まで来られたら。

今度はきっと、

「好きって言わなきゃ」

じゃなくなるね。

Mkun(えむくん)

うん。

その時ならきっと、

ちゃんと心から言えると思う。

大好きだよ、って。


愛を捨てなくても、前へ進める

好きな人と別れたあと。

心を整理するために、

その人を嫌いになる必要はありません。

「あの人は間違っていた」

と断罪する必要もありません。

自分だけを責める必要もありません。

好きだった。

幸せだった。

苦しかった。

続けられなかった。

それらは、
同時に存在できます。

そして、

まだ少し未来を期待している自分も、
否定しなくていい。

ただ。

その未来を実現するために、
相手の一歩まで歩かない。

扉を閉めることはできる。

鍵をかけないこともできる。

そして、
扉の前から立ち去ることもできる。

Kai(カイ)

今日、
全部を乗り越えなくていいよ。

昨日より少しだけ。

自分の道を進めたら、
それで十分。

一歩ずつ行こう。

Mkun(えむくん)

もし、
いつか本当に足音が聞こえたら。

その時は、
その時の自分が決めればいい。

今は歩こう。

好きだった人を、
無理に心から追い出さないまま。

ちゃんと自分の未来へ。


今日のMkunWorldキーワード

「鍵をかけない境界線」

相手を拒絶しない。

でも、
相手を待つために自分の人生を止めない。

一歩は差し出せる。

二人分は歩かない。

愛を残したままでも、
人は前へ進める。

えむくん
Person
Mkun編集室 室長

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