休みになったら、あれもこれもやろう。そう思っていたのに、気がつけば夕方。出かけてもいないし、何かを完成させてもいない。明日の準備をしながら、せっかくの休日を無駄にしたように感じることがあります。
「自分の毎日を、少し好きになる」第4話は、そんな休日のお話です。いつものラウンジで、Liaはノートの空いたページを見つめていました。
やりたかったことだけが、頭に残る

Mkun(えむくん)今日は何を描くの?



今日はまだ、決めていません。先日の休みに描こうと思っていたものも、そのままで
Liaは、休みの日にしたかったことを思い出していました。ノートに絵を描くこと。机の上を整えること。時間があれば、少し外を歩くこと。



どれもできなくて。何をしていたんだろうって思うんです



実際には、どんなふうに過ごしてた?



遅めに起きて、お茶を飲んで。途中まで読んでいた本を開いたんですけど、すぐ閉じました。あとは窓を開けて、ぼんやりしていました
思い出せないほど何もなかったわけではありませんでした。ただ、やろうと思っていたことと、実際に過ごした時間がずれていたのです。



予定のほうばかり見ていたから、全部できなかった一日になっていたんですね
過ごした時間を、完成品だけで数えない


成果で振り返ると、終わった作業や残った物が目に入りやすくなります。本を一冊読んだ。部屋を片づけた。作品を完成させた。それらは分かりやすい区切りです。
一方で、本を途中まで読んだ時間や、窓から入る風を感じた時間には、完成の印が付きません。終わったものだけを数えると、その時間は振り返りから抜け落ちてしまいます。



窓を開けていたときは、どうだった?



少し肌寒かったので、上着を持ってきました。でも、外の音が聞こえるのはよかったです



そういう時間だったんだね



はい。充実した休日、って説明できるほどではないですけど
大きな満足へ言い換えなくても構いません。少し気持ちがよかった。退屈な時間もあった。夕方には寂しくなった。実際に感じたことを、その大きさのまま振り返れます。



よかった休日にまとめなくても、どう過ごしたかは話せますね
休む時間にも、成果を求めていないか





でも、何もしなかったのに、すっきりもしませんでした。休み方まで下手だったのかなって



休んだあとに元気になれたらうれしいけど、必ずそうなると決めると、休む時間にも宿題ができちゃうね
何かを達成する代わりに、しっかり回復しなければ。そう考えると、休んだ時間をまた別の物差しで採点することになります。休みの日を過ごしたあとに疲れが残っていても、それだけで過ごし方の失敗とは決められません。



休んだ証拠を、明日の元気さで出そうとしていたかもしれません



今も疲れているなら、今の状態から次を考えていいと思うよ。今日できることを減らすとか、誰かに頼めることを探すとか
休んだのだからもう頑張れるはず、と自分へ約束を取り立てなくてもいい。今の負担が大きいなら、その負担について考える余地を残しておきます。



あの日の休みを成功させたかより、今日どう過ごせそうかを見てみます
その日の途中で、予定を変えてもいい


Liaは休日の朝、ノートを開きかけたことを思い出しました。描きたい気持ちは少しあったものの、そのときは何も考えずに座っていたかったのです。



描くつもりだったから、描かなきゃって思いました。でも、手が動かなくて



そのとき、今は別の過ごし方にしようって決め直してもよかったのかもしれないね
自分だけの予定なら、途中で変えられることもあります。外へ出るつもりだったけれど、家で過ごす。本を読むつもりだったけれど、今日は閉じておく。予定を立てた自分と、当日の自分で、ほしい時間が違うこともあるからです。



誰かと約束している日は、そう簡単には変えられませんよね



うん。相手にも時間があるから、難しそうなら連絡して相談する。全部自分の中だけで決め直せるわけではないね
動かせる予定と、相談が必要な約束を分けてみると、変えられる範囲が見えてきます。すべてを投げ出すか、全部予定どおりにするか。その二つだけで選ばなくてもよいのです。



あの日の絵は、私の予定でした。今日は描かない、と言ってもよかったんですね
残った用事は、責める材料にせず扱う





それでも、片づいていない机は残っています。見えると、また少し落ち込みます



用事は残るね。いつ必要か、今どこまでできるかを見て、次を決めようか
休みを責めずに振り返ることと、必要な用事を扱うことは一緒にできます。今日使う物だけ出す。期限のあることから確認する。一人で抱えきれなければ、分担を相談する。



机を全部きれいにする、だと難しそうです。でも、明日使うノートを置く場所は空けておきたいです



その範囲なら、今の自分でもできそう?



はい。それをして、残りは別の日にします
何か一つできたことを理由に、ようやく休みを認める必要はありません。休んでいた時間はすでに過ごした時間です。残った用事には、これから使える時間と力で向き合っていきます。



休日の点数を取り返すために、夜まで頑張らなくてもいいんですね



明日の自分が困るところを、できる範囲で整える。それくらいから考えてみよう
今日の持ち帰り|できなかったことの外側も見る


Liaはノートの空いたページを、何も書き足さずに閉じました。別の日に描いたカップも、花屋で見た木の実も、そのまま残っています。



ここに、休めた理由を全部書こうかと思ったんです。でも、今日はこのままでいい気がします



書かずに覚えておくこともできるし、忘れてもいいね
休日を思い返して、できなかったことばかり浮かぶときは、一度だけ、実際にどう過ごしていたかを見てみてください。何をしていたか。どんな感じがしたか。今、何が必要か。
よかったことを必ず見つける課題にしなくても構いません。思うように過ごせなかった、という感想で終わる日もあります。その感想を持ったまま、次の休みの予定を少し減らしたり、助けを借りたりできます。



何も完成しなかった日にも、私は一日を過ごしていたんですね。次は、途中で予定を変えることも忘れずにいたいです
次回は最終話。明日が少し楽しみになるような、小さな予定を考えます。今日までの過ごし方を採点し直すことなく、これからの一日に、自分の好きな時間を置いてみます。













