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もう会わないと言った。でも、今は会いたい|過去の言葉に現在の心を縛らせない

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「もう会わない」

そう言った時は、本当にそう思っていた。

言わされたわけではない。

試したわけでもない。

本当は会いたいのに、反対のことを言ったわけでもない。

あの時は、会わない方がいいと思った。

だから、自分でそう決めた。

それから時間が経った。

連絡を取らない時期もあった。

少しずつ話せるようになった。

以前なら緊張していたような話も、今は普通にできる。

何気ない一日のこと。

最近食べたもの。

仕事のこと。

ちょっとした失敗。

体調のこと。

特別な話ではない。

でも、その普通の会話が思っていたより心地よかった。

以前のように、何かを急いで決めなくてもいい。

返事が少し遅くても、それだけで全部が終わったようには感じない。

話して、笑って、それぞれの生活へ戻れる。

そんな時間が増えてきたある日。

ふと、思ってしまった。

「……会いたいかも」

そして、その気持ちに気づいた瞬間。

胸の奥から、もう一つの声が出てくる。

「でも私、自分で“もう会わない”って言ったよね」

今の「会いたい」と、過去の「もう会わない」。

二つの気持ちが、同じ心の中で向き合います。

Rina(りな)

……これ、前回より困るね。

Kai(カイ)

うん。

前回は「今の気持ちを確認してみよう」までだったからね。

Rina(りな)

確認したら、本当に変わってた場合でしょ?

Kai(カイ)

そう。

今日はそこから。

Rina(りな)

気づかなかったことにしたいかも。

Kai(カイ)

そう思うくらい、今の気持ちを認めるのが怖いこともあるよね。


目次

「会いたい」と思った瞬間、昔の自分が止めにくる

過去に強いNOを出したことほど、その後の気持ちの変化を受け入れにくくなることがあります。

特に、そのNOを誰かへ伝えていた場合です。

「もう会わない」

そう伝えた。

相手も、その言葉を受け取った。

そのあとで自分の気持ちが変わる。

すると、

「今さら何を言ってるんだろう」

「都合が良すぎないかな」

「結局、意志が弱かっただけじゃない?」

「また同じことになったら?」

いろいろな声が出てきます。

そして、本当はただ「会いたい」と感じただけなのに、その気持ちを認めること自体が悪いことのように思えてきます。

Rina(りな)

そう。

会うかどうか以前に、「会いたいって思っちゃった自分」がちょっと嫌になるかも。

Kai(カイ)

どうして?

Rina(りな)

だって、自分で終わらせたんだよ?

それなのにまた会いたいって……何だったの?ってなる。

Kai(カイ)

じゃあ、前回のストレッチをもう一回使ってみよう。

あの時の「もう会わない」は、本当だった?

Rina(りな)

……本当だった。

Kai(カイ)

今の「会いたいかも」は?

Rina(りな)

それも……たぶん本当。

Kai(カイ)

だったら、どちらかを消さなくてもいいんじゃないかな。

Rina(りな)

また「あの時の私も本当。今の私も本当」?

Kai(カイ)

そう。

今回は、それをもう少し具体的に見ていこう。


会いたいと思ったからといって、昔のNOが嘘になるわけじゃない

以前「もう会わない」と決めたことには、その時の理由がありました。

会うたびに苦しくなっていたのかもしれません。

期待しすぎて疲れていたのかもしれません。

安心して話せなかったのかもしれません。

自分の生活を立て直すために、距離が必要だったのかもしれません。

理由は人によって違います。

でも、その時に必要だった距離が、その後も永久に必要とは限りません。

離れたことで落ち着いた。

時間が経った。

相手との関わり方が変わった。

自分の受け止め方も変わった。

以前とは違う関係が少しずつできてきた。

そうした新しい出来事が増えれば、現在の心が以前と違う反応をすることがあります。

Rina(りな)

でも、「会わない」って結構強い言葉だよね。

Kai(カイ)

強いね。

Rina(りな)

「今日は会わない」じゃなくて、「もう会わない」だよ?

Kai(カイ)

うん。

だからこそ、相手はその言葉を尊重しているかもしれない。

Rina(りな)

……あ。

Kai(カイ)

でも今は、まず相手の話じゃなくて自分の話をしよう。

その言葉が強かったからって、未来のあなたの心まで固定できるわけじゃないよ。

Rina(りな)

あの時の私は、本当にそこまで思ってた。

Kai(カイ)

だったら、その強さも否定しなくていい。

その時は、それだけ距離が必要だったのかもしれないから。

過去のNOを弱める必要はありません。

「あれは本当はNOじゃなかった」

と書き換えなくていいのです。

あの時は、本当に会わないと思っていた。

そのうえで、

今は会いたい。

二つをそのまま並べてみます。

矛盾しているように見えても、それは時間の違う二つの自分が出した答えです。


「会いたい」は、「元に戻りたい」と同じではない

Rina(りな)

でもね。

私が一番怖いの、たぶんここかも。

Kai(カイ)

どこ?

Rina(りな)

「会いたい」って認めたら、また前と同じ関係に戻っちゃいそう。

Kai(カイ)

なるほど。

Rina(りな)

だって、会うんでしょ?

だったらまた好きになって、また期待して、また同じことになるかもしれないじゃん。

Kai(カイ)

じゃあ、一回分けてみようか。

Rina(りな)

分ける?

Kai(カイ)

「会いたい」と「以前と同じ関係へ戻りたい」は、同じ答え?

Rina(りな)

……違うかも。

Kai(カイ)

「話したい」と「恋人になりたい」は?

Rina(りな)

違う。

Kai(カイ)

「顔を見たい」と「昔の関係を全部復活させたい」は?

Rina(りな)

それも違う。

Kai(カイ)

じゃあ、「会いたい」と思っただけで、昔の関係全部へYESを出したことにはならないよ。

Rina(りな)

あー……。

私の中で全部くっついてた。

人との親密さは、本当は一つのスイッチではありません。

話す。

連絡を取る。

二人で会う。

一緒に出かける。

弱いところを見せる。

手をつなぐ。

抱きしめる。

恋愛関係になる。

将来を約束する。

それぞれは別のことです。

一つにYESを出したからといって、その先にあるすべてへYESを出す必要はありません。

「今なら会ってみたい」

その気持ちが出てきたなら、まずはその範囲だけを見ることができます。

Kai(カイ)

会いたいなら、会うことだけ考えていい。

その先まで今日決めなくていいんだよ。

Rina(りな)

それなら、「会いたい」って気持ちを認めるハードルがちょっと下がる。

Kai(カイ)

未来を全部セットにしちゃうと、一つの気持ちを認めるだけでも怖くなるからね。


昔より安心して話せることは、新しい情報

一度離れた相手と、また話せるようになることがあります。

そこで大切なのは、

「昔好きだったから、今もきっと同じ」

と決めることではありません。

現在起きていることを、現在の情報として見ることです。

以前より普通に話せる。

以前より緊張しない。

返事を急がなくても大丈夫になった。

意見が違っても、すぐ関係が壊れるようには感じない。

嫌なことには嫌と言えそう。

相手のNOも、以前より受け取れそう。

そんな変化があるなら、それは「昔に戻った証拠」ではなく、今の二人について増えた新しい情報です。

Rina(りな)

ここ、ちょっと分かる。

昔のことを思い出して会いたいんじゃなくて、今話してる時間が心地よくて、会いたくなることもあるよね。

Kai(カイ)

うん。

それなら「昔好きだったから」だけで説明しなくてもいいよね。

Rina(りな)

今の相手を見て、今の自分が感じてるってことか。

Kai(カイ)

そう。

逆もあるよ。

昔は大好きだったけど、今話してみたらやっぱり会いたくない。

それも現在の情報。

Rina(りな)

昔の気持ちより、今起きてることを見るんだね。

Kai(カイ)

うん。

過去は大事な資料だけど、現在そのものではないから。

過去に傷ついたことも、過去に愛されたことも、大切な情報です。

でも、それだけで現在の答えを決める必要はありません。

今の関係で何が起きているのか。

今の自分は何を感じているのか。

そこを新しい情報として加えていきます。

そうすると、

「昔の関係へ戻るか、完全に離れるか」

だけではない選択肢が見えてくることがあります。


会いたい。でも、怖い。それでも矛盾ではない

Rina(りな)

それでも怖いけどね。

Kai(カイ)

何が一番怖い?

Rina(りな)

会ったら、また気持ちが大きくなること。

Kai(カイ)

うん。

Rina(りな)

相手はそこまで思ってなかったら、また私だけ傷つくかもしれない。

Kai(カイ)

うん。それもあるね。

Rina(りな)

だったら、会いたいって思わない方が楽じゃない?

Kai(カイ)

思わないようにできそう?

Rina(りな)

……できないから困ってる。

Kai(カイ)

だよね。

心に浮かんだ感情を、都合よく消せないことがあります。

会いたい。

でも怖い。

嬉しい。

でも不安。

近づきたい。

でも以前と同じ苦しさには戻りたくない。

こうした複数の気持ちが同時にあることは、珍しいことではありません。

一つを本物にするために、もう一つを偽物にする必要はありません。

Kai(カイ)

「怖いから会いたくないはず」でもないし、

「会いたいから怖くないはず」でもない。

両方あるなら、両方あるところから考えていいよ。

Rina(りな)

なんか、心って面倒だね。

Kai(カイ)

一個ずつなら分かりやすいんだけどね。

Rina(りな)

でも本当は、そんなに綺麗に一個じゃないんだ。

Kai(カイ)

うん。

だから、無理に一個にしない方が今の自分を見失いにくい。


「会いたい」に気づいても、まだ相手へ伝えなくていい

ここまで読んで、

「じゃあ、会いたいって伝えればいいんだ」

と思った人もいるかもしれません。

でも、この回ではまだそこへ進みません。

気持ちに気づくこと。

その気持ちを相手へ伝えること。

実際に会うこと。

これは別々の段階です。

今まで「会いたくない」と思っていた自分が、

「今は会いたいかもしれない」

と気づいた。

今日は、まずその変化を自分自身が受け取るところまでで十分です。

Rina(りな)

よかった。

急に「じゃあ連絡しよう!」って言われるのかと思った。

Kai(カイ)

しないよ。

Rina(りな)

でも、いつか伝えるなら怖いなぁ。

Kai(カイ)

何が怖い?

Rina(りな)

断られることもだけど……。

「自分から会わないって言ったじゃん」って思われるのも嫌。

Kai(カイ)

うん。

それは次の問題だね。

Rina(りな)

あとさ……。

Kai(カイ)

うん?

Rina(りな)

できれば、自分から言わなくて済む方がいい。

Kai(カイ)

どういうこと?

Rina(りな)

相手から「会わない?」って誘ってくれたら、一番楽じゃない?

Kai(カイ)

なるほど。

Rina(りな)

私から前の言葉をひっくり返さなくていいし。

誘われて、私がYESって言うだけなら……できそう。

Kai(カイ)

その気持ちは、すごく分かりやすいね。

Rina(りな)

でしょ?

Kai(カイ)

でも、そこには一つだけ考えてみたいことがある。

Rina(りな)

……なに?

Kai(カイ)

相手は、あなたから何て言われてる?

Rina(りな)

「もう会わない」……。

Kai(カイ)

うん。

Rina(りな)

あ。


相手が動かない理由を、まだ決めない

自分の気持ちが変わると、相手にもその変化が伝わっているような気がすることがあります。

以前より話している。

会話も柔らかくなった。

自分も前より楽しそうにしている。

だから、

「そろそろ分かるよね」

と思いたくなることがあります。

でも、自分の心の中で起きた変化を、相手が同じように知っているとは限りません。

特に以前、

「もう会わない」

と明確に伝えているなら、相手はその言葉を現在の境界として受け取っている可能性があります。

Rina(りな)

でも、最近普通に話してたら、「もう大丈夫なのかな」くらい分かりそうじゃない?

Kai(カイ)

普通に話せることと、会うことへのYESは同じかな?

Rina(りな)

……違う。

Kai(カイ)

だよね。

相手がそこを勝手につなげない人だったら?

Rina(りな)

誘ってこないかも。

Kai(カイ)

うん。

でも、それだけで「会いたくないんだ」とも決められない。

Rina(りな)

じゃあ、何で誘わないの?

Kai(カイ)

まだ分からない。

会いたくないのかもしれない。

今は必要ないと思っているのかもしれない。

あなたの以前のNOを尊重しているのかもしれない。

別の理由があるかもしれない。

本人にしか分からないよ。

Rina(りな)

そっか。

誘ってこない理由まで、私が決めちゃダメなんだ。

Kai(カイ)

うん。

自分の気持ちは自分で確認できる。

相手の気持ちは、相手のものだからね。


「会いたい」と認めたところで、今日は止まっていい

今日のストレッチでは、まだ何も伝えません。

過去のNOを撤回する必要もありません。

相手を誘う必要もありません。

相手から誘わせる方法を考える必要もありません。

ただ、一つだけ。

自分の中にある現在の気持ちを、そのまま見てみます。

「あの時は、本当にもう会わないと思っていた」

そして、

「今は、会いたいと思っている」

もしそれが今の自分に一番近いなら、まずはそこまで認めます。

それだけです。

Rina(りな)

でも、認めちゃったら気になるよ。

相手はどう思ってるんだろうって。

Kai(カイ)

気になるよね。

Rina(りな)

会いたいって思ってるの、私だけだったら恥ずかしいし。

Kai(カイ)

うん。

Rina(りな)

やっぱり、向こうから誘ってくれたら一番安心する。

Kai(カイ)

そう思う自分も、まず否定しなくていいよ。

Rina(りな)

でも、さっきの話だと……。

Kai(カイ)

うん。

もし相手があなたの「もう会わない」を大切にしているなら、自分からその線を越えないこともある。

Rina(りな)

……それ、困る。

Kai(カイ)

困るね。

Rina(りな)

私は「誘ってくれたらYESって言える」。

相手は「NOって言われてるから誘わない」。

だったら、ずっと何も起きないじゃん。

Kai(カイ)

そういうこともあるかもしれないね。

Rina(りな)

じゃあ、どうするの?

Kai(カイ)

それを次回、一緒に考えよう。


今の気持ちを認めることは、過去の自分への裏切りじゃない

以前の自分が、

「もう会わない」

と決めた。

その判断があったから、守れたものがあったかもしれません。

離れたから見えたこともあったかもしれません。

だから、その時の自分を否定しなくていい。

でも、時間が経ち、関係や自分自身が変わり、

「今は会いたい」

という気持ちが生まれたのなら、それも現在の自分から届いた大切な情報です。

過去の自分を大切にすることと、過去の答えへ永遠に従うことは同じではありません。

そして、

「会いたい」

と認めることと、

「会わなければならない」

も同じではありません。

会いたいけれど、今は動かない。

会いたいけれど、まだ怖い。

会いたいけれど、以前と同じ関係には戻りたくない。

そんな現在地もあります。

今の自分に必要なのは、昔の言葉を急いで撤回することではありません。

今の心を、自分だけは見失わないことです。

Kai(カイ)

今日の持ち帰りは、これ。

「あの時は、本当に会いたくなかった」

「でも今は、会いたい」

二つとも本当でいい。

会いたいからといって、昔のNOが嘘になるわけじゃない。

そして、会いたいからといって、その先の全部へYESを出す必要もないよ。

Rina(りな)

私は私の「会いたい」だけ、まず認めればいいんだ。

Kai(カイ)

うん。

相手の答えは、まだ作らなくていい。

Rina(りな)

……でもやっぱり、相手から誘ってほしいな。

Kai(カイ)

そこ、残ったね。

Rina(りな)

残るよ。

自分から「会いたい」って言うの、怖いもん。

Kai(カイ)

じゃあ次は、そこを伸ばしてみよう。

自分の気持ちは分かった。

今なら会いたい。

もし相手から、

「会わない?」

と言われたら、YESと答えられる。

でも、自分から言うのは怖い。

だから待ってしまう。

「向こうから誘ってくれたらいいのに」

ところが相手は、なかなか誘ってこない。

その時、

「やっぱり会いたくないんだ」

「私にはもう興味がないんだ」

と決める前に、もう一つだけ考えてみたいことがあります。

相手が動かないのは、

あなたが以前伝えたNOを、今も大切に扱っているからかもしれない。

もちろん、本当の理由は相手にしか分かりません。

だからこそ次回は、

「誘ってくれたら会えるのに」

という気持ちと、

「でも相手は、私のNOを聞いている」

という二つの立場を並べます。

次回。

「誘ってくれたら会えるのに|相手が動かないのは、あなたのNOを尊重しているからかもしれない」

察してほしい気持ちと、境界を尊重する相手。

二人とも悪くないのに、なぜか止まってしまう関係があります。

KaiとRinaの心のストレッチは、そこからもう一歩先へ進みます。

Kai(カイ)👟
Agent
心と身体の現在地を見ながら、 大きな目標を“今日できる一歩”まで 小さくするのが得意なトレーナー。 爽やかで頼れる、お兄さんタイプ。 頑張りすぎている人には、 前へ進むより先に休むことを勧める。 無理に引っ張るのではなく、 同じ速度で隣を歩く。 行動と一緒に、 続けられるペースも差し出すタイプ。

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