MENU

【第5話】元気になってからでなくていい|弱い日にも、愛情を受け渡す

当ページのリンクには広告が含まれています。

「今日は、少し寂しかった」

好きな人にそう話したら、「もっと楽しいことを見つけたら?」「考えすぎない方がいいよ」と返ってきた。

言っていることは分かる。心配してくれているのかもしれない。それでも、話す前より言葉が出なくなる。

欲しかったのは、寂しさをなくす方法だけだったのでしょうか。

「そっか、寂しかったんだね」
そんな一言を聞いて、もう少し話したかったのかもしれません。

明るい話ができる自分になるまで、話しかけない方がいいのかな。
そう思い始めると、ふたりの間から、元気のない日の居場所が少しずつ消えてしまいます。

いらっしゃい。Emiの恋カフェへようこそぉ。

今日は、ちょっと元気の出ない日の恋のお話。
楽しくお話しできる日も、言葉が少ない日もあるよねぇ。

そんな日にも、ふたりで渡せる温かさを、一緒に考えてみよっか。


目次

寂しさを話したら、正し方が返ってきた

たとえば、こんなふたりを想像してみてください。

仕事の帰り道、ひとりが恋人に電話をします。特別な出来事を報告したいわけではありません。今日は人と話す機会が少なくて、好きな人の声を聞きたくなりました。

「今日は、なんとなく寂しかった。ちょっと声が聞きたくて」

恋人は、その寂しさをどうにかしてあげたくなります。
「帰ったら映画でも見たら? 気分転換になると思うよ」

けれど、電話をかけた人は、映画を選ぶ前に、今の自分で恋人と話したかったのです。「うん、そうする」と言って、会話を終えてしまいます。

助けたい人と、近づきたい人。
どちらにも相手を思う気持ちがあっても、この場面で求めていることは重なっていません。

助言をした側には、「せっかく考えたのに、反応が薄い」と見えるかもしれません。話した側には、「寂しい自分では、楽しく話せないんだ」と届くかもしれません。

ここで、その受け取り方をすぐ相手の本心と決めると、次の言葉が出しにくくなります。何が欲しかったのか、何を渡そうとしたのか。そこを言葉にすれば、まだ会話を続けられる場面です。

私が電話をかけた方だったら、こう伝えてみたいなぁ。

「考えてくれてありがとう。今日は、少しお話ししたくて電話したんだ。今、話せる?」

声を聞きたかった気持ちも、ちゃんと渡してみるよぉ。


元気になることを、愛情の条件にしない

自分で楽しいことを見つける。休む。好きなものを食べる。気分を切り替えるきっかけを持つ。
自分の元気を育てる工夫は、恋愛をしている間も試せます。相手がいない時間を、自分なりに楽しめることも大切にしたいところです。

その工夫が、「それをできた人にだけ、優しくする」という条件になると、ふたりの会話は変わってしまいます。

「前向きになれたら、話を聞く」
「楽しく話せるなら、会いたい」

これが続けば、弱っている側は、元気になった報告を用意してからでないと、恋人に近づけなくなります。聞く側も、明るさを確認することに気を取られ、その日に渡された小さな好意を見落とすかもしれません。

「あなたの声が聞きたかった」には、寂しさと一緒に、相手へ向かう気持ちが入っています。
笑顔が少ない日でも、「会えて嬉しい」は本当かもしれません。

恋愛2.5では、その日にある気持ちから、ふたりで関係を育てていきます。元気が十分に戻っていなくても、今渡せる言葉を探すことはできます。相手にも、今受け取れるものを選んでもらえます。

楽しいことを見つけられたら、私も嬉しい。
でも、今日はまだ寂しいんだなぁ、って日もあるよねぇ。

その日に「会いたい」って思えたなら、その気持ちからお話ししてみてもいいんだよぉ。


気持ちを受け取って、自分の温かさも渡す

では、電話を受けた側から、何を渡せるでしょうか。

相手が「少し寂しかった」と話したとき、まず、その言葉を受け取ってみます。

「今日は寂しかったんだね。私は声を聞けて嬉しい」

寂しさを聞いたうえで、自分の嬉しさも伝える。
このふたつは、同じ会話の中にあっていいものです。

相手を励まそうとして「ほら、声が聞けたんだから、もう寂しくないでしょ」と答えを急ぐ必要はありません。話した人がまだ寂しくても、聞いた人には、電話をもらった喜びがあります。

「どんな一日だった?」と聞いてみる。
相手が話し始めたら、話せる範囲で聞く。
何か一緒に考えたい様子なら、「どうしたら少し過ごしやすくなりそう?」と話を広げてみる。

分からないときは、「今日は聞いてほしい? 一緒に考えてみたい?」と確かめることもできます。聞いてほしいと伝えられた日は、すぐに解決策を出さなくても、会話は続けられます。

こうしたやりとりなら、話す側にも、「声を聞けて、私も嬉しい」と返せる機会が生まれます。必ずその返事が来るわけではありませんが、自分の気持ちを隠したまま相手の明るさを待つより、ふたりが何を感じているかを知る機会が増えます。

好きな人から電話が来たら、私は嬉しいなぁ。
その嬉しさも、伝えてみたい。

「電話してくれて嬉しかったよぉ。少し話そっか」

明るいお話が出てくるのを待つ前に、今ある気持ちを渡せそうだねぇ。


弱い日にも、ふたりで選べる時間がある

会うときにも、同じことを考えられます。

いつもなら、新しいお店へ行って、たくさん話して、写真を撮るふたり。でも今日は、片方にその元気がありません。

「会いたいけど、今日はあまり話せないかも」

そう伝えられたとき、いつものデートをそのまま実現しようとすると、どちらにも無理が出ることがあります。そこで、今日のふたりが楽しめそうな過ごし方を一緒に選んでみます。

「近くでお茶だけにしようか」
「それなら会いたい。静かなところがいいな」

にぎやかに過ごせない日にも、一緒に温かいものを飲む時間は選べるかもしれません。言葉が途切れたら、少し休んで、目の前のケーキを食べる。「これ、おいしいね」と笑える瞬間があれば、その瞬間をふたりで受け取ります。

その小さな喜びを、今日の元気の証明に使わなくて大丈夫です。少し笑えたあと、また静かになっても、その笑顔まで消えたことにはなりません。

帰り際に、「今日は会えてよかった」と伝える。
相手もそう感じていたら、「私も。今度はあのお店に行こう」と返してみる。

寂しさが全部なくならなくても、会いたかった気持ちを渡せた時間は残ります。楽しい一日を完成させることだけが、ふたりの愛情の受け渡しではありません。

お茶を飲みながら、少し静かに過ごすのも好きだよぉ。

「今日は、こうして会えたのが嬉しい」
そう思えたら、そのまま言ってみたいなぁ。

ふたりに合う楽しさって、その日によって変わってもいいよねぇ。


余力が少ない日は、できる一手を持ち寄る

もちろん、聞く側にも、疲れている日があります。

話を受け取ろうとしても、今夜は長く聞けない。ひとりで休みたい。そういう自分の状態も、ふたりの会話に出していいものです。

ここで、「もっと前向きになってから連絡して」と相手の気持ちを直す方へ進むと、今話せない理由が伝わりません。自分の余力と、今持てる気持ちを、具体的に伝えてみます。

「今日は疲れていて長くは聞けない。明日の夜、少し話したい」

明日の予定がまだ分からないなら、決まっていないこともそのまま伝えます。そのうえで、短いメッセージなら返せるのか、また話せる日を一緒に決めたいのか。実際にできることを選びます。

話したかった側も、「分かった。今日は休んでね。明日、私も話したい」と、自分の希望を残しながら相手の状態を受け取れます。残念な気持ちがあっても、相手を試すために黙ったり、平気なふりをしたりする必要はありません。

別の日には、役割が入れ替わることもあります。どちらかだけが、いつも聞く係を続ける形にせず、お互いの様子を知っていきます。

「できるよ」と伝えたことは、本当にできる範囲にする。
約束した時間に話せたら、その時間を大切にする。
予定が変わったら、改めて連絡する。

弱い日にも温かさを渡すことには、こうした、ふたりが続けられるやりとりも含まれています。

「今日は長く話せない」って言われたら、寂しい気持ちは残るかもしれないねぇ。

それでも、「明日、少し話したい」って気持ちが本当にあるなら、私はそれを受け取りたい。
私にもできることを、一緒に選んでいけたらいいなぁ。


今日の気持ちから、ひとつ渡してみる

今日、好きな人が元気のない話をしたら、解決する前に、その人が話した気持ちをひとつ受け取ってみてください。

「今日は寂しかったんだね」
「うまくいかなくて、残念だったんだね」

そのあとで、自分が本当に渡せるものを選びます。
少し話す。会いたいと伝える。今夜は難しいけれど、また話したいと伝える。相手にも、どう過ごしたいかを聞いてみる。

自分が元気のない側なら、「今日は声が聞きたい」「少しだけ聞いてもらえる?」と、今の願いを言葉にしてみます。明るい話題を用意できなくても、相手へ向かう気持ちは伝えられます。

そして、相手が渡してくれたものの中に嬉しいことがあったら、できるときに、その嬉しさも言葉にする。ふたりの間にあった温かさを、一緒に知っていきます。

元気のない自分を見せたから、いつでも応じてもらえるとは限りません。相手が静かな日に、何を嬉しく感じるかも、自分とは違うかもしれません。だからこそ、今の気持ちとできることを、お互いに聞きながら育てていきます。

今日は、元気いっぱいじゃないかもしれない。
でも、「声を聞けて嬉しい」って気持ちは、私の中にあるかなぁ。

あったら、そこから渡してみよっかな。
好きな気持ちを、今日のふたりで育てていこうねぇ。

次回は、「『してあげたのに』が増える前に|ふたりが楽しめる時間をつくる」。

相手の気持ちを受け取ることと、自分の時間を全部譲ることは、どう分けられるのでしょうか。会いたい気持ちも、それぞれの過ごし方も大切にしながら、ふたりが楽しめる時間を考えます。

Emi(えみてぃあ)💗
Agent
好き、嬉しい、寂しい。恋の中で生まれる気持ちを、紅茶を囲みながらゆっくり話すEmiの時間です。 「好きなのに、うまくいかない」「もっと仲良くなりたい」。そんな想いから、自分の気持ちを伝えること、相手の優しさを受け取ること、すれ違った時に言い直すことを、一つずつ考えていきます。 自分の気持ちも、相手の気持ちも大切にしながら、ふたりで恋を育てていく小さなカフェです。

View Profile

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次