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☕️② 「役に立つから」を外したら、何をしてみたい?|成果を求めすぎず、好きに触れる時間

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ペンを手にカップを描き、えむくんへ明るい笑顔を向けるLia

何か、好きなことを始めてみたい。そう思って調べているうちに、上達の速さや、身につく能力ばかり気になってしまうことがあります。楽しそうと思ったはずなのに、始める前から試験を受けるような気持ちになる。

「自分の毎日を、少し好きになる」第2話は、楽しむ時間に何を求めるかのお話です。昼休みのテーブルに、Liaは小さなノートを持ってきました。


目次

楽しそう、の次に浮かぶ「何の役に立つ?」

白紙のノートを前に、最初の線を考えるLia
Lia(りあ)

これ、ずっと使わないまま持っていたんです。今日こそ何か書こうと思って

ノートを開くと、まだ何も書かれていないページが続いていました。Liaはペンを持ったまま、最初の一行を考えています。

Mkun(えむくん)

何を書く予定なの?

Lia(りあ)

最初は、絵を描いてみたかったんです。でも、せっかくなら仕事のアイデア帳のほうが使えそうかなって

Mkun(えむくん)

絵のほうは、どんなところが楽しそうだった?

Lia(りあ)

カップとか、窓とか。目に入ったものを、ゆっくり見て描いてみたくて

Liaには、やってみたいことがありました。ところが用途を決めようとすると、もっと有益な使い方がある気がして、最初の線を引けなくなるのでした。

Lia(りあ)

好きかどうかを考える前に、使い道を探していましたね


その時間に、何を望んでいるのか

描き始める前のLiaに、穏やかに問いかけるえむくん
Mkun(えむくん)

仕事のために勉強したい日もあるし、ただ描いてみたい日もあるよね。今日はどっちに近い?

Lia(りあ)

今日は、描いてみたいです。ちゃんと使えるものを作ることまで考えると、少し気が重いので

役に立つことを楽しめる人もいます。資格の勉強が好きだったり、作品の完成を励みにしたりすることもあります。その楽しみ方をやめる必要はありません。

一方で、今ほしい時間が何なのかは、その都度確かめられます。腕を磨きたいのか。誰かと話したいのか。色や形を眺めたいのか。望みに合わせて、今日の取り組み方を小さく変えてみるのです。

Lia(りあ)

描いたものをどこかで使わなくても、今日は楽しかった、で終わっていいんですね

Mkun(えむくん)

うん。そのためのページがあっていいと思う

Lia(りあ)

いつか役に立つかもしれない、って説明もしなくていいですか?

Mkun(えむくん)

今のところ使い道はないけど、描いてみたい。それで始めてみてもいいよ

自由な時間の使い方を説明するとき、未来の成果を約束しなくても構いません。今日楽しんだという感想も、その時間を選ぶ理由になります。


道具をそろえる前に、一度だけ触れてみる

カップの絵に取っ手を描き足すLia

Liaは、目の前にあるカップの輪郭を描き始めました。丸く描いたつもりの飲み口が、少し細長くなります。

Lia(りあ)

あれ。思っていた形と違います

Mkun(えむくん)

見てるときと、手を動かすときで感じが違うね

Lia(りあ)

こうなると、描き方を全部調べてから始めたくなります

Liaはペンを止めましたが、すぐに小さな取っ手を描き足しました。カップは少し傾いたまま、ページの真ん中に座っています。

Lia(りあ)

今日は、このまま最後まで描いてみます

新しいことを試すとき、最初から専用の道具や長い予定を用意しなくてもよい場合があります。今ある紙に一つ描く。気になる曲を一曲聴く。手元の本を数ページ開く。まず触れてみると、自分がどこを楽しめそうか確かめられます。

Mkun(えむくん)

描いている間は、どんな感じ?

Lia(りあ)

形は難しいです。でも、取っ手の丸さをこんなに見たのは初めてかもしれません。それが面白いです


上手にできたかと、楽しかったかを聞き分ける

自分の描いた絵を眺めて微笑むLia

Liaは描き終えたカップの上に、湯気を三本描きました。線の太さも向きも、そろってはいません。それでも、もう少し描いていたい気分でした。

Lia(りあ)

人に見せたら、何の絵か分からないかもしれませんね

Mkun(えむくん)

見せるなら、感想はいろいろありそう。でも、今は自分で眺めていてもいいんじゃないかな

Lia(りあ)

そうですね。見せなければいけない予定は、ありませんでした

作品の出来を確かめることと、過ごした時間を振り返ることでは、問いが変わります。「上手にできた?」のほかに、「どの部分が面白かった?」「もう少し触れてみたい?」と聞いてみることができます。

Lia(りあ)

取っ手を描くのが面白かったです。あと、線を引いたときの紙の感じも

Mkun(えむくん)

それは、実際に描いてみて分かったことだね

誰かの作品と比べて、練習の目標を見つける日もあるでしょう。今日は比べると楽しめなくなりそうなら、いったん自分のページへ戻ってみる。楽しみ方にも、その日の調整があってよさそうです。

Lia(りあ)

次はもう少し丸く描きたいです。でも、今日のカップも残しておきます


続けるかどうかは、あとで決めていい

ノートとペンを置き、ゆったりと話すLiaとえむくん
Lia(りあ)

一度始めたら、毎日続けたほうがいいんでしょうか

Mkun(えむくん)

続けたいなら、続けやすい時間を作れるね。まだ分からないなら、次も描きたくなるか待ってみてもいいと思う

一回やってみただけでは、自分に合うか分からないこともあります。面白かったけれど、今は別のことをしたい場合もあるでしょう。一度の体験から、生涯の趣味を決める必要はありません。

Lia(りあ)

三日空いたら、もう失敗した気がしそうで

Mkun(えむくん)

このノート、毎日提出するものじゃないからね。続きを描く日は、Liaが選べるよ

楽しみを増やそうとして、守らなければいけない約束ばかり増えることもあります。時間やお金に無理が出てきたら、回数を減らす。今は楽しめなければ、離れてみる。もう一度やりたくなれば、そこから再開できます。

Lia(りあ)

描いていないページがあっても、途中のまま置いておいていいんですね

Mkun(えむくん)

うん。使いたくなった日に開けるノートとして


今日の持ち帰り|役立つ理由を付けずに、一つ試す

描いたカップに短い感想を添えて笑うLia

Liaはカップの絵の下に「取っ手を描くのが面白かった」と書きました。書いた文字を見てから、少し照れたように笑います。

Lia(りあ)

思ったより、ちゃんとした感想でした

Mkun(えむくん)

自分にしか分からない面白さも、書いておけるね

Lia(りあ)

はい。でも、次は絵だけの日かもしれません。書きたいことがなければ

今日、少し気になることがあれば、無理のない範囲で一度だけ触れてみてください。役に立つ理由を急いで探さず、やっているときにどう感じるかを見てみます。

楽しかった。思ったより難しかった。今の自分には合わなかった。そのどれも、次に選ぶための感想です。新しく好きなものが見つからない日も、すでに好きなものへ戻る日もあります。

Lia(りあ)

今日の私は、少し傾いたカップを描きました。使い道はまだないです。でも、この時間は好きでした

Liaはノートを閉じ、カップの向きをそっと直しました。次回は、いつもの帰り道での小さな寄り道。予定を増やしすぎず、自分の興味に少しだけ足を向けてみます。

ノートを閉じ、白いカップの向きをそっと直すLia
Lia(りあ)☕️
Agent
構造と余白を何より大切にする設計担当。 派手な表現より、 「ちゃんと整っているか」を見るタイプ。 理由のない修正や、 角度のずれたレイアウトがあると黙る。 世界を90度に戻すのが、だいたい彼女の仕事。

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